2019年の大河ドラマで活躍中でもある、六代目中村勘九郎さんには、奥様で女優の前田愛さんとの間に、二人の息子さんがいます。その二人ともが、すでに歌舞伎の道を歩んでいます。舞台にも時々出演し、だんだんとその力を伸ばしつつあるようです。
ここでは、六代目中村勘九郎さんの息子さんたちについて、迫ってみたいと思います。
中村勘九郎さんの奥様についてはこちらの記事でまとめています。よろしければ合わせてご覧ください。
中村勘九郎さんの奥様は有名子役だった?妻・前田愛さんとの夫婦仲は?
一年中多忙な夫・中村勘九郎さんを支えているのが、奥様の前田愛さんです。前田愛さんは、妹の前田亜季さんと一緒に、子役時代からCMなどで活躍していた女優さんです。 現在は中村勘九郎さんの妻として、そして二 ...
中村勘九郎・七之助兄弟に似ている?
2011年2月22日、往年の歌舞伎ファンのみならず、誰からも愛された十八代目中村勘三郎さんの初孫として、長男・七緒八くんは誕生しました。2013年5月22日には、次男・哲之くんが誕生し、現在、中村勘九郎さんのお子さんは、この息子さんたち二人となっています。
中村勘九郎さんも、弟の中村七之助さんと二人兄弟なので、父親世代を子供の頃から見てきた歌舞伎ファンには、懐かしく感じるところもあるようです。
七緒八くん・哲之くん兄弟は、2017年に同じ初舞台に立ちました。2017年2月2日、東京歌舞伎座の「猿若祭二月大歌舞伎」です。
演目は、『門出二人桃太郎(かどんでふたりももたろう)』です。この演目は、中村勘九郎さんと七之助さんが、1987年に初舞台を勤めた演目でもあります。
また、祖父・十八代目中村勘三郎さんも、1959年に『昔噺桃太郎』で初舞台を勤めたことから、三世代にわたる『桃太郎』での初舞台として、当時話題になりました。
この時、長男の七緒八くんは、5歳で「三代目中村勘太郎」を、次男の哲之くんは、3歳で「二代目中村長三郎」を襲名しました。
「中村勘太郎」は、父親の勘九郎さんが名乗っていた二代目からの襲名で、「中村長三郎」は、江戸初期に活躍した三代目中村勘三郎の幼名となっています。
歌舞伎の襲名につきましては下記の記事でまとめています。こちらも合わせてご覧ください。
歌舞伎役者の名前は襲名で変わる?屋号や名前の由来はどこからきてるの?
歌舞伎では、先祖や師匠など、先人の名前を継いでいく「襲名」があります。襲名する、ということは、単に名前が変わるということではなく、襲名する名前にふさわしい芸風や格を受け継ぐ、と言う意味が含まれています ...
テレビのインタビューや密着番組を観ていると、長男・勘太郎くんは、すでに一人でもしっかりしている様に見えますが、次男の長三郎くんはまだまだ自由に甘えたい様子です。年齢の差だけでなく、こんなところも、父親の勘九郎さんと弟の七之助さんの小さい頃に似ている、と親しむ声も聞かれます。
歌舞伎役者・中村勘九郎の息子として、お芝居の評判は?
いまは小学生の息子さんたちですが、すでに歌舞伎役者としての心得やお稽古は始まっています。歌舞伎が本当に好きじゃないと、お仕事として一生背負っていくのは大変です。
子供たちは舞台に立つのが「好き」と、インタビューで答えています。以前、テレビの密着番組で、お稽古中に台詞を忘れた父・勘九郎さんに、勘太郎君がこっそり台詞を教える、というシーンがありました。
まわりにいた大先輩の歌舞伎役者たちは、父が演じる役の台詞も覚えている勘太郎くんに驚き、感嘆の声を漏らしていました。小学生ながら、それほどに歌舞伎にのめり込んでいる息子に、勘九郎さんも感動したことと思います。
歌舞伎役者の子どもたちの行く末
父親の中村勘九郎さんも、いまは「歌舞伎をやりたい」と言う子供たちの為に、いろいろなことを教えていると思います。しかし、もし将来ほかに「やりたいこと」が見つかると、歌舞伎を辞めてしまう可能性もないわけではありません。過去には梨園に生まれながら、歌舞伎を辞めた人もいます。
まだまだこれからの成長が待たれますが、祖父の勘三郎さんや、父親の勘九郎さんのような歌舞伎役者になるためには、大変な勉強とお稽古が必要になります。しかしありがたいことに、まわりには人間国宝を含む大先輩方がいて、若輩でも一緒の舞台に立つ機会があります。
歌舞伎は、身内だけでなく、一緒に舞台に立つ諸先輩方に教えていただくことによって、技を受け継いで成長していきます。そうした素晴らしい環境も、歌舞伎役者の世襲が途絶えない理由の一つかもしれません。
先輩たちに可愛がられ、鍛えられた技で舞台に立ち、拍手喝采を浴びるのは「役者冥利につきる」ことかもしれませんね。息子さんたちのこれから、がとても楽しみです。